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2007年09月30日

あきた有情:

走れベロタクシー!
どんな乗り物かとおもったら、名前とは異なりかっこいい自転車タクシーでした。

わたしも是非お目にかかりたいと思います。


 その乗り物は3年前、英ウェールズはカーディフの駅頭で初めて見た。斬新なデザインに驚いた。「環境に優しい」の売りもいいが、「遊び心」があるのが気に入った。それが環境活動団体「SiNG」(秋田市)の代表、武内伸文さん(35)と自転車タクシー「ベロタクシー」(「ベロ」はラテン語で「自転車」の意)との出合いだった。
 東京の大学を出た後、外資系の経営コンサルタント会社に勤めた。3人兄弟の末っ子。父親が興した印刷会社は、上2人の兄に任せればいい。古里・秋田に戻るつもりはなかった。大企業を相手に、あるいは海外を舞台に、企業の変革を誘導する仕事を8年間、担当した。培ったノウハウを社会の変革に役立てたい、という夢が膨らんでいた。
 「環境」をライフワークに据えた。30歳。妻を伴ってカーディフ大大学院に留学し、環境問題を学んだ。勉学の傍ら、環境NGO(非政府組織)のボランティアスタッフとして働いた。
 英国で就職活動を始めていた05年9月、思いもよらぬ知らせが届いた。両親と兄2人が乗った車が事故に遭い、長期入院する大けがを負ったのである。慌ただしく、秋田に舞い戻った。
 肉親の看病をしながら、印刷会社の経営も支えた。一段落したら、再び英国に行けばよい。そんな思いで帰郷していたが、周りの状況から秋田を離れるわけにはいかなくなっていた。
 夢は追い求めたい。ならば、と腹をくくった。与えられた状況で、できることからやるしかない。「SiNG」の活動を始めた。

 今年5月、秋田市の中心市街地でチャリティーフリーマーケットの一種「わらしべ貯金箱」を催した。寄付によって集めた不用品を並べ、ほしい市民が対価として何がしかの現金を「貯金箱」に入れるシステムで、7月、9月と合わせて計3回開いた。集めた貯金を使って、カーディフで見た、あの「ベロタクシー」を走らせたい、との思いが胸にはあった。

 来年夏を予定する本格導入を前に、秋田わか杉国体中の30日、10月1日の2日間限定で、秋田市の中心市街地でお披露目運行する。「わらしべの輪」に共感してくれた多くの市民にベロタクシー見てもらいたい。一人一人が自らの活動を形として実感してくれることこそが、社会を変える力になると信じるからである。
 郷里で夢を追いかけるのも悪くない。巡り合わせを幸運と今は思える。

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